007. US TOUR 2010 REPORT ~シアトル篇

サンフランシスコを後にしたメンバー一行は次の公演予定地シアトルへと向かいました。貞夫さんにとってシアトルでの公演は約4年ぶりです。

会場となる“Dimitriou’s Jazz Alley”は昨年オープン30周年を迎えた名門ジャズ・クラブです。せり出したステージを180度囲むように作られた客席は2階席まであり、この日は月曜日にもかかわらず約300人のお客様で埋め尽くされました。

ステージ上でバンド紹介が行われ、貞夫さんをはじめメンバーがステージに上がるとお客様のボルテージは一気に上昇し、会場内は歓声と拍手に包まれました。そんな温かなお客様に迎えられて、バンドも1曲の目の“バタフライ”からすばらしい演奏でその期待に応え、会場の大きさに反比例するようにステージとお客様の間がぐっと縮まり非常にインティメイトな雰囲気になりました。

また、この日すばらしかったのが会場のサウンド作りを担当したファウスト氏。この会場は通常のクラブとは異なり形がちょっと変わっているため会場のサウンド作りが難しい様なのですが、彼はライブがスタートした後も会場内を回りリアルタイムで微調整を行いながら、生々しいアコースティック・サウンドを作り上げてくれました。このクラブに何年も通い続けている常連のお客様も「今日のサウンドは今まで私が聴いた中で一番よかったよ」と満足していただけた様です。

バンドも高速ビバップ・チューン<アイム・オールド・ファッションド>で激しいブロウを聴かせたかと思うと、チベットに捧げたバラード<タイムズ・アゴー>ではさっきまでの興奮が嘘のように会場内はしっとりとした雰囲気に変わり、お客様がバンドが紡ぐ一音一音を聴き逃さないよう曲に入り込んでいる様子が伝わってきました。

またこの日、会場に訪れていた貞夫さん旧知のドラマー、ジェフ”テイン”ワッツさんも、公演終了後メンバーに惜しみない賞賛を送っていました。

バンドにとって会場のサウンド、そしてお客様とのインティメイトな距離感がこれほどまでに演奏に好影響を及ぼすことが非常に面白く、ここシアトルでもこの公演をサポートしてくださった方々にただただ感謝の気持ちで一杯でした。